電気自動車のリセールバリューについて

電気自動車のリセールバリューとは?

リセールバリューとは、自動車を購入した後に再販する際の価格のことです。
電気自動車のリセールバリューは、電気自動車の性能や品質、需要や供給、環境への影響など様々な要因によって決まります。

リセールバリューは、所有者にとって重要な指標です。
なぜなら、リセールバリューが高いほど、電気自動車を売却するときに得られる利益が大きくなり、電気自動車の総所有コストが低くなるからです。
また、リセールバリューが高いことは、電気自動車が市場で人気があることや、電気自動車が長期的に安定した性能を発揮することを示しています。
したがって、リセールバリューは、電気自動車の購入や売却を検討する際に参考にすべき重要な情報です。

テスラの車種別のリセールバリューについて

テスラは電気自動車において生産量が世界一の自動車メーカーです。
2022年の販売台数は131万3900台となっており、100万台の大台を軽々と超えています。
ここではテスラのリセールバリューについて紹介します。

Model S

テスラのセダンタイプの車種の一つが「Model S」です。リセールバリューは40~50%程度となっています。

この車は2012年にアメリカで初めて発売され、その後2013年からは日本でも購入できるようになりました。さらに、Model Sをベースにした高性能なバージョンが「Model S Plaid(プレイド)」として登場し、多くの人々から注目を浴びています。

Model S Plaidは特にスピードにおいて印象的で、0から時速100kmに到達するのにたったの2.1秒しかかかりません。そのため、この車はスーパーカーと競り合えるほどの性能を持っています。
また、どちらのモデルも航続距離が600km以上あるため、長距離ドライブを楽しむ人にも最適なモデルといえるでしょう。

Model 3

2017年から米国を中心に販売がスタートした「Model 3」は、テスラの入門モデルで、Model Sよりも小型な車です。
リセールバリューは60~70%程度となっています。

最も速い「Model 3 パフォーマンス」は、0から時速100kmまでわずか3.3秒で加速する、その速さが魅力の一つです。

Model 3は他のモデルと比べて、多くの種類が揃っており、価格も幅広く設定されています。
そのため、自分のニーズに合った車を選びやすい大衆車といえます。
日常の使い勝手がいい人から、エコな長距離ドライブを楽しみたい人まで、さまざまな人が満足できるモデルです。

Model X

テスラの初めてのSUVモデルであるModel X。リセールバリューは40~50%程度となっています。
このモデルはテスラ車の中で珍しい7人乗りのシートを備えているため、家族連れにとても人気があります。

しかしながら、Model Xにはテスラらしい特徴も満載です。例えば、大きく上昇するファルコンウィングドアや、素早い加速力などが挙げられます。
特に「Model S Plaid」では、時速100km/hまでわずか3.1秒で加速する、SUVモデルの中でもトップクラスの速さを誇っています。

電気自動車のリセールバリューが低い理由

電気自動車のリセールバリューが低い理由とその背後にある要因について、以下のように考えられます。

まず、電気自動車はガソリン車に比べて初期費用が高く、購入者の層が限られるためです。
このため、中古市場での需要が低く、価格が下がりやすいという問題があります。
また、電気自動車はバッテリーの寿命や性能が大きな影響を受けるため、使用年数や走行距離によって劣化が進むためです。
これにより、中古車としての魅力が低下し、リセールバリューが低くなります。

さらに、電気自動車は環境に優しいというイメージが強いですが、実際には電力の発生方法や廃棄方法によっては環境負荷が高くなる場合もあります。
例えば、火力発電所で発電された電力を使用する場合や、バッテリーのリサイクルや処分に問題がある場合など。
このような状況では、電気自動車の環境メリットが減少し、購入意欲をそぐ要因といえるでしょう。

以上のように、電気自動車のリセールバリューが低い理由としては、初期費用の高さ、バッテリーの劣化、環境負荷の問題などが挙げられます。
これらの要因は相互に影響し合い、電気自動車の中古市場での価値を下げる結果となっていると考えられます。

電気自動車を高く売るためは

電気自動車を高く売るためにできることはいくつかあります。
まず、アフターサービスを十分に受けておくことが重要です。電気自動車はガソリン車と違って、バッテリーやモーターなどの特殊な部品を持っています。
これらの部品は定期的に点検や交換をする必要がありますが、それを怠ると故障のリスクが高まります。
故障した電気自動車は買取価格が大幅に下がるので、アフターサービスを受けておくことで、そのような事態を防ぐことができます。

電気自動車というだけで買取価格を下げない業者を選ぶ

電気自動車はガソリン車に比べて、市場の需要が低いというイメージがあります。
実際には、環境に優しいという点や燃料費が安いという点などで、電気自動車に興味を持つ人は多くいます。
そのため、電気自動車の買取価格はガソリン車よりも低くなる必要はありません。
しかし、一部の業者は、電気自動車の需要が低いという理由で、買取価格を不当に下げることがあります。
そのような業者には注意し、電気自動車の価値を正しく評価してくれる業者を探すことが必要です。

複数社に見積もりをする

電気自動車の買取価格は業者によって大きく異なる場合があります。
そのため、一社だけに見積もりを依頼すると、相場よりも安く売ってしまう可能性があります。
そうならないためには、複数社に見積もりを依頼し、比較検討することが必要です。
見積もりをする際には、インターネットや電話だけでなく、実際に業者の店舗や出張査定などで直接対面することも大事です。
直接対面することで、電気自動車の状態や魅力をアピールすることができますし、交渉する余地も生まれます。

これらのポイントを押さえておけば、電気自動車の買取価格を最大限に引き上げることができるでしょう。

電気自動車のメンテナンスについて

電気自動車は「車輪の上にコンピューター」と呼ばれることもあり、ガソリン車と異なる整備やメンテナンスが必要になります。
ガソリン車との大きな違いはエンジンがないことです。そのため、オイル交換は不要で、エンジンの点火プラグもなく、一般的な駆動部品も少なくなっています。
電気自動車の最大手テスラは自社の車を「修理の必要性をなくす」と宣伝するほどです。

ただし、ガソリン車と同様、エンジン以外にもメンテナンスが必要な部分もあるため、日常的なチェックは不要と言い切れないでしょう。
例えば、ブレーキやラジエーターといった基本的な構造は共通です。

ブレーキ液の点検

電気自動車でもブレーキ液は重要です。ブレーキ液の適切な量を確認しましょう。正しいブレーキ液のレベルを保つことは安全なブレーキ性能を維持する鍵です。

冷却水(クーラント)の点検

冷却水も電気自動車にとって重要です。
冷却水は高温時にシステムを安定させるために必要で、駆動用バッテリーの冷却にも関連しています。冷却水のレベルを確認し、必要に応じて補充しましょう。

高電圧部品への警戒

電気自動車には高電圧部品があり、これらは高電圧を扱う箇所です。これらの部品にはオレンジ色のケーブルや高電圧を警告するステッカーが付いています。
これらの部品に触れないようにし、安全に点検を行いましょう。

電気自動車のエンジンルーム点検は、エンジンのオイル交換が不要な代わりに、ブレーキ液や冷却水の点検、高電圧部品への警戒が必要です。
これらの注意事項を守ることで、電気自動車の安全性と正確な動作を確保できます。

次に、タイヤとランプ類の点検についてです。
これらの点検は、エンジン車と同じように行います。特に電気自動車は一般的なエンジン車よりも重たいことが多いです。
適切なタイヤの空気圧と良い状態のタイヤは、安全性だけでなく、電池の効率向上にも寄与します。
とくに電気自動車は質量が大きく、瞬時にトルクが発生するため、タイヤの摩耗率が高くなります。ガソリン車と比べてもこまめなチェックは必要でしょう。

最後は、運転席での点検を行います。
これはクルマの基本的な操作装置を確認するもので、電気自動車でも同様の点検が重要です。
たとえば、パーキングブレーキは電動式なので、その作動を確認します。
また、始動チェックは、スタートボタンをONにし、クルマが正常に始動、異音がないかを確認します。同様に、走行チェックも行われます。

これらの点検は、クルマの安全な運転と正確な動作を確保するために大切なステップです。
安全運転とクルマの良好なコンディションを保つために、定期的な点検が必要です。

電気自動車はどこで整備してもらえるか

電気自動車は機械的には複雑ではありませんが、非常に高い電圧の電気システムを使用しているため、この部分の修理が必要な場合は専門家による対応が必要です。
現時点では、正規のディーラーでのメンテナンスが最良の選択肢となっています。
通常、各ワークショップには、そのブランドの電動モデル整備のために特別なトレーニングを受けた整備士がいます。
彼らは機械部品の知識だけでなく、正しい安全装置と服装も身につけています。

しかし、初期の電気自動車の中には発売から10年が経過しているものもあり、電気自動車を専門的に扱う工場が増えています。
これらの工場の多くは、最新の診断機器に加えて、リチウムイオンバッテリーの状態をチェックできるソフトウェアも備えています。